1900年代から出版されているオランウータン関連の本を専門書から児童書まで幅広くご紹介します。最近では、日本語で出版されているオランウータン関連書籍の多くはおらけん関係者が何らかの形で携わっており、それらの本は業績のページでご紹介しています。しかし、おらけんが関わっていないもので、オランウータンに関する魅力的な本はまだまだたくさんあります!
オランウータンに関する⽇本語の本ははっきりいってとても少ないです。
そのうえ、絶版になっている本がほとんど!日本語の本で満⾜できない⼈は、英語を読むしかありません。
専門書
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オススメ
ぼくはオランウータン博士
2021年IKEA(イケア)URSKOG ウルスコグ可愛らしいイラストがたくさん詰まっていて、一見すると児童書だが、中身は専門的なもので、文学的なメッセージも含まれている。
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オランウータンの不思議社会
2003年岩波ジュニア新書鈴⽊晃20年以上にわたってインドネシアのクタイ国⽴公園で野⽣オランウータンの研究続けている著者が、オランウータンの⽣態と彼らを取り巻く現状を綴る。
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絶版
オランウータンに森を返す⽇
2000年旺⽂社川端裕人1999年に⼤阪で起きた密輸オランウータン事件の、⼦供向けドキュメンタリー。わかりやすく、内容もよくまとまっている。
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オランウータンとともに 上・下
1999年新曜社ビルーテ・ガルディカス 著
杉浦秀樹,⻫藤千映美,⻑⾕川寿⼀ 訳⻄カリマンタン(ボルネオ島インドネシア領)のタンジュンプティン国⽴公園でオランウータンの研究と保護活動に⻑年携わっている、ガルディカス博⼠の著作。オランウータンに関する情報というよりは、⾃伝に近い内容になっている。
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絶版
オレ、ひとし
1985年サンケイ出版⼭川修⼈間として育てられたオランウータンの16年間のドキュメンタリー。著者が本当にオランウータンの「ひとし」を我が⼦のように愛し、育てていたのが伝わってくる。⼊⼿は難しいが、ほぼ同内容の⾃費出版本「わが⼦オランウータン」が古書として流通している可能性あり。
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絶版
さあ森へお帰り
1984年早川書房モニカ・ボルナー著 増井久 訳スマトラ島でのオランウータンの野⽣復帰事業に携わった、イギリスの動物学科の学⽣が書いたエッセイ。
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絶版
わが内なる類⼈猿
1981年早川書房ジョン・マッキノン 著 ⽔原洋 訳著者は初めて本格的に野⽣のオランウータンを野外調査を⾏った研究者。学術雑誌Animal Behavior(1974年)に掲載された彼の論⽂は、今でよく引⽤されており、評価が⾼い。ゴリラ、チンパンジーなど各地の類⼈猿を⾃ら観察し、⼈類進化について考察した⼀冊。原書の出版が1978年で、まだまだ限られた情報しかなかったはずなのに、意外に「正しい」推測がある。ある程度専⾨知識を持った⼈が読んだ⽅が、こうした「過去の予測(推測)」を楽しめる。
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オススメ
孤独な森の住⼈
1977年早川書房ジョン・マッキノン 著⼩原秀雄,⼩野さやか 訳著者は初めて本格的に野⽣のオランウータンを野外調査を⾏った研究者。学術雑誌Animal Behavior(1974年)に掲載された彼の論⽂は、今でよく引⽤されており、評価が⾼い。この本も絶版だが、古書店では⼊⼿可能。たった⼀⼈で深い森の中でオランウータンを追跡し続ける、著者の調査の様⼦は圧巻。まさに「冒険」といっても過⾔ではない、過酷なフィールドワークを通してしか⾒ることができない、オランウータンの珍しい⾏動が活き活きと描かれており、今でも⼗分読むに値する。
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オススメ 英語のみ
Orang-Utan: The Natural History of an Endangered Ape
2017Natural History PublicationElizabeth L.. Bennett1998年に出版された同名タイトルの第2版。カラー写真が豊富で、英語も簡単、⼿頃な厚さなので、オランウータンの⽣態について学ぶ⼊⾨書としては最適。巻末にはマレーシアとインドネシアのリハビリテーション施設に関する情報が詳しく載っている。海外のネット書店やサバ州の書店やおみやげ屋では⽐較的容易に⼿に⼊る。
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オススメ 英語のみ
Orangutans: Geographic Variation in Behavioral Ecology and Conservation
2009Oxford University PressSerge A. Wich , S. Suci Utami Atmoko, Tatang Mitra Setia & CarelP. van Schaik (ed)オランウータン学術専⾨書。「地域間⽐較」がメインテーマで、まだほとんど公表されていない新しい調査地で収集された最新のデータや、古い調査地の未発表データも数多く使われている。⽣態はもちろん、遺伝、形態、移動様式、採⾷、繁殖、社会、⽂化、発達、保護などなど幅広いトピックを第⼀線で調査をしている研究者達が綴っている。これからオランウータンを研究しよう!という若⼿研究者や学⽣さんには必読の1冊。
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オススメ 英語のみ
Orang-utans
2008New HollandJuaidi Payne and Cede Prudenteマレーシアの哺乳類の保護活動に⻑年携わってきたPayne博⼠が⽂章を、サバ州の有名な写真家のCede氏が写真を担当したオランウータン本。特に写真が素晴らしい。オランウータンの魅⼒溢れた写真だけでなく、彼らの⽣息地が破壊されつつあることが伝わってくる写真も多い。
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英語のみ
Among Orangutans
2004Harvard University PressCarel P. van Schaik, (Photo) Perry van Duijnhoven著者は⻑年、野生オランウータンの研究を続けてきた、社会⽣態学・霊長類学の⼤御所。野⽣オランウータンの道具使⽤の写真や、1本の⽊に鈴なりなっているオランウータンの写真など、スマトラでしか⾒られない、珍しい写真が多数。
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英語のみ
Orangutans: Wizards of the Rain Forest
2000Firefly BooksAnne E. Russon著者はカリマンタン島(ボルネオ島)タンジュンプティン国立公園やリハビリテーションセンターでオランウータンの⾏動を研究している認知科学者。昔のリハビリテーションセンターのオランウータンのカラー写真が多数掲載されている。
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英語のみ
Our vanishing relative: The status of wild orang-utans at the close of the twentieth century
1999 SpringerH.D.Rijksen,E Meijaard今や大御所となったオランウータン研究者2名が、1980-1990年代に行った野生オランウータンの調査結果をまとめている。また、保全情報についても詳細に書かれていて、調査を通して感じた絶滅の危機について率直に語っている。
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英語のみ
Orangutan Odyeesy
1999Harry N. Abrams, Inc.Birute M. F. Galdikas and Nancy Briggs, (Photo) Karl Ammannガルディカス博⼠がインドネシアで運営している有名なリハビリテーションセンター(タンジュンプティン国⽴公園)で撮影されたオランウータンの写真集。ガルディカス博⼠とともに「リーキー三姉妹」の⼀⼈として名⾼い、チンパンジー研究者のジェーン・グドール博⼠が序⽂を寄せている。
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英語のみ
The Natural History of ORANG-UTAN
1998Natural History PublicationElizabeth L.. Bennettカラー写真が豊富で、英語も簡単、⼿頃な厚さなので、オランウータンの⽣態について学ぶ⼊⾨書としては最適だったが、2017年に最新情報が掲載された第2版が出版されたので、今から買うならそちらオススメ。
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英語のみ
The Orang-Utan
1999National Library of AustraliaGisela Kaplan, Lesley Rogersオランウータンの⽣態や⾏動に関する情報がわかりやすくまとめられている。「The Natural History of ORANG-UTAN」より詳しい情報が載っていて、「Among Orangutans」よりは⼿軽に読める。巻末には引⽤⽂献リストが載っている。
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英語のみ
The Neglected Ape
1995Plenum PressGaldikas, B.M.F., Nadler, R.D., Rosen, N., Sheeran, L.K. (Eds.)1900年代にまとめられたオランウータンの学術書。各章ごとに、著名なオランウータン研究者らが貴重な記録を残している。学術書であるため情報としては古いのだが、記述による鋭い観察記録や考察が大変参考になる。
写真集
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『Back to the Wild 』森を失ったオランウータン
2024年ムック柏倉陽介ボルネオ島にあるセピロク・オランウータン・リハビリテーションセンターの孤児の暮らしをとらえた写真集。おらけん理事の田島が巻末に解説文を書いている。著者印税はセピロクに寄付される。
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オススメ
オランウータンに会いに⾏く
2011年偕成社横塚 眞⼰⼈撮影場所はボルネオ島のダナムバレー森林保護区などで、対象は野⽣のオランウータン。著者はクライミング⽤品を使⽤する⽊登り技術を修得し、30mを越える熱帯⾬林の樹上でも撮影を敢⾏している。
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森の⼈オランウータン -earth angel- (Seiseisha mini book)
2009年⻘菁社松成由紀子撮影場所と対象は「ちょっとオランウータン」(岩合 光昭 著)と同じカリマンタン(ボルネオ島)のタンジュンプティン国⽴公園。リハビリテーションセンター出⾝のオランウータンを撮影した写真集。
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オススメ
オランウータン ジプシーファミリー ―写真絵本
2009年⽇本写真企画⼭崎 正路多摩動物公園のオランウータン、ジプシーの⼦・孫を全国の動物園に訪ね歩いて撮影された写真集。多摩で⼀緒に暮らす仲間達も登場。 多くのオランウータンを⽐較できるので、彼らの顔立ちの違いがよくわかる。特にフランジのあるオトナ雄の⽐較は⼀⾒の価値あり。
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ちょっとオランウータン
2009年⼩学館岩合 光昭世界的な動物写真家、岩合光昭⽒がカリマンタン(ボルネオ島)のタンジュンプティン国⽴公園に通って撮影。主にリハビリテーションセンター出⾝のオランウータンを撮影した写真集。
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オランウータンからの伝⾔
2004年ゴマブックス株式会社丹下克⼰タンジュンプティン国⽴公園で撮影されたオランウータンの写真集。リハビリテーションセンター出⾝のオランウータンを「野⽣オランウータン」と⾔い切っているところは少し気になる。
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テリマカシ
2002年道出版丹下克⼰主にタンジュンプティン国⽴公園のリハビリテーションセンターで撮影したと思われる、写真絵本。野⽣とは違う、オランウータンの姿が多くみうけられる。
絵本・児童書
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おらは おおきな オランウータン
2024年あかね書房たけがみたえ 作・絵/久世濃子 監修オランウータンの絵本は、可愛らしいコドモが主人公になることが多いですが、本書はフランジオスが主人公という異色の作品。たけがみさんの迫力ある絵でフランジオスの力強さがみなぎる絵本になっています。おらけん理事の久世が科学的観点から監修しました。
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しっかり ママに つかまって!
2021年BL出版作/市川里美世界中を訪ね絵本をつくってきた市川里美さんの作品です。ボルネオ島に暮らす女の子が、オランウータンの母子にまた会いたいと出かけた森の中で再会を果たします。オランウータンにとって森とは、子どもにとって母とは。樹上の暮らしぶりがいきいきと描かれています。
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おらんちゃん
2021年福音館書店MAYAMAXXイラストレーター・画家として著名なMAYA MAXXさんによるオランウータンの絵本。新品に挟まれている別紙に掲載されている著者からの言葉に、オランウータンへの著者の愛情を感じる。
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オススメ
おやすみ、ぼく
2009年クレヨンハウス アンドリュー・ダッド:文、エマ・クエイ:絵
落合恵子:訳オランウータンの「ぼく」が手足、目、と体の各部位に「おやすみなさい」といいながら寝付く様子をやわらかいタッチの絵で描いている。小さい子の寝かしつけに効果てきめん!と根強い人気がある絵本。
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ウータンタンのおはなし
2006年新⾵舎作:⼭庭さくら 絵:陣条和榮動物園のオランウータンを主⼈公にした絵本。物語の中⼼になっている、「オランウータンが頭の上に葉っぱをのせる」という⾏動は、野⽣でも飼育下でもよくみられる。オランウータン特有だけども、彼らにとっては普通の⾏動をうまくモチーフにした作品。
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オススメ
おさるのボーボ
2004年ノルドズッド・ジャパンハンス・デ・ビア絵:セリーナ・ロマネリ
文、今福 仁 :訳オランウータンの男の子が森で拾ったバイオリンを弾くお話。フランジオス(おじさん)とアンフランジオス(お父さん)が両方登場する珍しい?絵本。美しい森の景色も堪能できる。2003年には続編「おさるのボーボたこをあげる」が出版されている。
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オススメ
写真絵本「オランウータンの森」
2004年国⼟社 写真/監修:鈴⽊晃 ⽂:鈴⽊南⽔⼦おそらく⽇本初、世界でもめずらしい野⽣のオランウータン写真絵本(たいていのオランウータンの写真集はリハビリテーションセンターで撮影している)。⽂章は英語・⽇本語で併記されている。
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エリスおじさんはおかあさん
1999年チャイルド本社岡本 一郎 (著) 榎本 功セピロク・オランウータン・リハビリテーションセンターで働くレンジャー「エリス」さんの仕事を追った、⼦供向けの写真絵本。通常は観光客に公開されていないエリアで、どんな⾵に孤児オランウータン達が過ごしているのかわかる。
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絶版
ズーブックス ゴリラ/オランウータン
1985年誠⽂堂新光社ジョン・ボネット・ウェクソ 著 増井光⼦ 訳スマトラ・オランウータンとボルネオ・オランウータンの形態の違いを、フルカラーのリアルなイラストで表現している。⼦供向けの本だが内容は濃く、今でも通⽤する正確さ。