ダナムバレイでの保全活動

ダナムバレイでの保全活動

人材育成

私たちは、オランウータンの長期調査を行いながら、小規模ながら保全活動にも取り組んでいます。その代表的な取り組みの一つが人材育成事業です。この事業では、オランウータンの研究や、保全に貢献できるマレーシア国内の専門家を育てることを目指しています。オランウータンの生態や行動を深く理解し、研究や保全活動に必要な知識と技術を持つ人材を増やすことが目的です。

この活動は、地元の連携組織であるBorneo Rainforest Lodge(ダナムバレイ保護区にあるエコツアーロッジ)、Danum Valley Studies Centre(研究者向け施設)、Sabah Foundation(ダナムバレイ保護区の管理組織)、Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre、Orangutan Appeal UK、およびマレーシア国立サバ大学と協力して実施されています。

長期研修

地元の連携組織から推薦された研修生を対象に、ダナムバレイ保護区での長期研修を実施しています。
この研修では、オランウータンの行動、生息環境、採食植物の調査方法を学びます。約6か月の研修期間中には、調査機材の使い方やデータ収集技術を習得します。修了後、研修生は所属元でオランウータンに関する調査や後輩の指導に携わることが期待されています。

長期研修1
長期研修2
長期研修3
長期研修4

短期研修

オランウータンのリハビリテーション施設で働くレンジャーを対象に、短期研修を実施しています。
この研修では、野生オランウータンの行動や森林環境について学び、リハビリ個体を森に適応させるための知識を深めています。
また、私たちの調査アシスタントもリハビリテーション施設で研修を受けることで、オランウータン保全について幅広い視点を身につけています。

短期研修1

短期研修2

短期研修3

大学院生支援

マレーシア国立サバ大学の大学院生を対象に、博士号取得を目指した研究支援を行っています。
この支援では、野外調査のサポートや調査機材の提供、論文執筆の指導に加え、日本への短期留学による分析技術の習得など、さまざまな支援を行っています。これにより、次世代の専門家の育成を進めています。

大学院生支援

私たちと協力して研究を進めている大学院生の活動が、地元の新聞 Borneo Post(2024 年10 月28 日)で紹介されました

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私たちは、これらの取り組みを通じて、マレーシア国内でオランウータン保全活動を支える人材の育成に貢献していきます。

注意事項

当団体が実施する長期および短期研修プログラムは、マレーシア国内のオランウータン保全活動を支える専門家を育成することを目的としております。そのため、これらのプログラムは、地元の連携組織から推薦を受けたスタッフのみを対象としています。
海外のボランティアの方を対象としたプログラムは実施しておりませんので、ご了承ください。

これらの研修活動は、皆さまからのご寄付と、以下の助成金のご支援によって実施されています。

なぜ長期研究が必要なのか

オランウータンは成長が遅く、寿命が長い動物です(推定年齢50-60歳)。
私たちの20年の調査期間は、オランウータンの長い人生のほんの3分の1でしかありません。
オランウータンの生態を正しく理解し、生息数を減らさないよう見守るためには、
可能な限り長期的な調査が必要なのです。

おらけんの研究実績