動物園は、森の深くに棲む野生動物と都会に住む人間をつなぎとめる重要な役割を担っています。日本オランウータン・リサーチセンターでは、元オランウータンの飼育担当者である代表の人脈を生かし、動物園との共同研究、共同事業を積極的に行っています。
オランウータンに会いに行こう
日本の動物園では、オランウータンが16施設に37個体が暮らしています。(2024年4月現在)
このうち、スマトラオランウータンは8頭、ボルネオオランウータンは27頭、2頭は両種のハイブリットです。
国内で一番たくさんオランウータンがいるのは、東京都の多摩動物公園(ボルネオオランウータン9頭)です。
足を運ぶ機会があればぜひ、動物園で種と生息地が書いてあるボードを確認してください。
国内動物園による大型類人猿の最新情報は大型類人猿ネットワークで調べることができます。
動物園での楽しみ方
皆さんは、動物園でオランウータンをじっくり観察したことがありますか?何気なく見るのも面白いけれど、見るコツを教えてもらうとさらにオランウータンのことをよく理解できるようになります。
東京都 多摩動物公園が作成している「かんさつシート」を使って観察すると、オランウータンの「からだ」や「しぐさ」にどのような理由や意味が隠されているのか、より理解が深まります。ぜひ下記URLからダウンロードして、動物園に持って行ってみてください。
からだ:https://www.tokyo-zoo.net/guided/B_orang_K.pdf
しぐさ:https://www.tokyo-zoo.net/guided/B_orang_S.pdf
オランウータン以外の動物バージョンも色々ありますよ。
https://www.tokyo-zoo.net/zoo/tama/watching_sheet/index.html
(「かんさつシート」に関するお問い合わせは、多摩動物公園へお願いします)
オランウータンを観察するときに注意すること
- 静かに楽しく見る(動物にも、あなたの声は意外と聴こえていますよ)
- オランウータンの前で食べ物を見せない(食べられないものを見せびらかされたら嫌ですよね?)
- からかったり、バカにした態度をとらない(あなたの姿もよく見えていますよ)
動物園との共同研究
行動観察
行動観察オランウータンの研究者は野外で研究を始める前に、動物園で研究した経験がある方が多くいます。野外では、樹上で何をしているのか見えないという状況がたくさんあるので、動物園でオランウータンとはどういう行動をするのかを理解しておくと、その後のフィールドワークで大変役に立ちます。野生ではなかなか集められない毛や糞といった試料を採取させてもらい、いろいろな分析を行います。
飼育者のための現地エコツアー
私たちは、オランウータンの飼育担当者さんをはじめとする動物園関係者向けに、ダナムバレイの調査地やスマトラに招待するツアーを企画しています。野生のオランウータンや、彼らの生活環境を実際に体感することによって、各施設の担当者さんらが工夫を凝らし、より自然に近い展示にしたり、野生の食物と類似した食物を食事として与えたりなど、大きなフィードバックになっています。