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活動レポート

おらけん田島のアメリカ・オランウータン探訪記

第2弾 オレゴン州ポートランド・オレゴン動物園

オレゴン動物園(旧ワシントンパーク動物園)は古い歴史を持ち、オレゴン州ポートランドの郊外にあるワシントンパークという大きな公園の一角にあります。ワシントンパーク公園には日本庭園もあり、観光名所として有名です。ここもシアトルと同じ入園料は24ドルでした。

第2弾 オレゴン州ポートランド・オレゴン動物園

オレゴン動物園はアメリカで初めて飼育下のゾウの繁殖に成功した園で、ゾウの飼育展示に力を入れています。実際にゾウの放飼場はかなり広いものでした。ボルネオ島で野生のゾウに出くわしたとき以外では、初めて小走りをするゾウを見ることができました。

オレゴン動物園はボルネオの保全活動団体HUTANのパートナーでもあり、オランウータンやゾウの保全活動を支援していることで有名です。マレーシア・サバ州で保護されたボルネオゾウが1頭、他のアジアゾウと一緒にここで飼育されているそうです。


 

屋内のゾウの放飼場のスケールも圧巻です!

行動展示

オレゴン動物園の展示方針はシアトルのウッドランドパーク動物園と異なり、行動展示に力を入れていることが、川端裕人さんの著書「動物園にできること」でも詳しく書かれています。同じ類人猿の展示も、シアトルは人工物が少なく自然に見える景観の再現に力を入れていた一方、オレゴンでは人工物のタワーを存分に立てて類人猿の樹上性行動を引き出すことにデザインの主眼が置かれているようでした。 

とはいえ、オレゴンが景観展示を全面的に否定しているわけではなく、例えばクマを中心としたアメリカ北西部の生態系についての展示は、野生生息地の景観に浸らせるような展示も印象的でした。

行動展示

ラッコの水中景観展示

ラッコの水槽展示も興味深いものでした。水槽は地下へ続いており、水面下の洞窟にはケルプと魚が展示され、その後ろをラッコが潜水するという景観は初めて見るもので、印象にいちばん残るものでした。

ラッコの水中景観展示

ポートランドは変なまち?

話はそれますが、それほど遠くないワシントン州シアトルとオレゴン州ポートランドは雰囲気の異なる都市です。Amazonやマイクロソフトの本社があり、競争が激しく、家賃は高いが給与も高い現代的都会のシアトル。一方ポートランドはNIKEColumbiaの本社があり、せかせか働くより一度きりの人生をもっと楽しもうというマインドが多い町です。「良い天気だ、仕事は切り上げて家のテラスで妻とビールを飲もうかな」と話す教授や、庭に卓球台とジャグジーを置き、夜な夜なビールを飲みながらパーティーを開く会社員、ワーカホリック気質な日本人から見るとポートランダーの生活はうらやましいです。そうした気質の違う2つの都市にある動物園の運営フィロソフィーが異なっても、何ら不思議はないなと感じました。

ポートランドは変なまち?

産休中のオランウータン

シアトルではオランウータンはアジアゾーンに、ゴリラはアフリカゾーンにそれぞれの地域や生態系ごとに分けられて展示されていましたが、ここオレゴン動物園では霊長類としてまとめられ、チンパンジーとオランウータンが隣り合って飼育されていました。


ちょうど2週間前に出産したオランウータンのメスKitraは産休中ということで室内展示が閉鎖されていました。外に姿を見せるかどうかは本人に任せるといった方針でした。

キーパートークではオランウータンもチンパンジー同様、社会性のある動物なんだと力説していたのがとても印象的でした。

産休中のオランウータン

仲むつまじいオスとメスにびっくり

のんびり眺めていると、なんと2週間前に出産したばかりのメスのキトラが姿を見せ、さらにフランジオスのボブが同じ放飼場へ出てきて、親子3頭が何事もなく同居している光景を見てとても驚きました!
おそらく万が一、オスが暴力的にふるまうことが万が一あったときの対策として、メスだけが通れるような小さな入口と避難先のセーフルームが用意されているのだと思います。日本ではオランウータンはオス・メスを別居させることが一般的ですので、私の目の前で子連れメスがフランジオスと仲良く過ごしているのを見て、とてもカルチャーショックを受けました。ボブとキトラの間に生まれた女の子の名前は最近決まり、ジョリーン
(Jolene)となりました。

仲むつまじいオスとメスにびっくり

オレゴン動物園も家族連れに大人気で開放的な芝生は一日中にぎわっていました。

次回は、オランウータン研究者が園長とCEOを務めるインディアナポリス動物園へ行ってきます! 

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