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活動レポート

おらけん田島のアメリカ・オランウータン探訪記

第3弾 インディアナ州インディアナポリス動物園

佐藤琢磨が優勝したカーレース「インディ500」なNASCARが開催されることで有名なインディアナポリスは、ハイテク産業や自動車産業が盛んなアメリカ北中部の都市です。 

ここにオランウータンの飼育展示で有名なインディアナポリス動物園があります。 

 

第3弾 インディアナ州インディアナポリス動物園

園長・社長は研究者

この動物園を10年前から園長として率いるのは、オランウータンの認知科学者として実績あるロバート・シューメーカー博士です。

シューメーカー博士はスミソニアン動物園で長年、オランウータンの研究を行ってきました。 

インディアナポリス動物園は日本の多くの動物園とは異なり、公的資金はほとんど入っていないそうで、チケット料金と寄付を中心に経営を成り立たせているそうです。 

シューメーカー園長は経営責任者を兼務しており、動物園の経営戦略を立てる命運をにぎっています。 

通常は実績あるビジネスマンが就くCEOを科学者が務める例はきわめて珍しいそうです。 
多忙の中、優しいシューメーカー博士は私の訪問を快く受け入れてくださいました。

園長・社長は研究者

オランウータンは柔軟な知性の持ち主

シューメーカー博士の持論は、過酷な森の環境でひとり生き抜くオランウータンには「柔軟な知性」が備わっていると言うものです。 

私は学生の頃に参加した国際学会で聞いて以来、シューメーカー博士はじっくり話してみたいあこがれの研究者でした。 

またインディアナポリス動物園には京都大学霊長類研究所で博士号をとったクリス・マーティン博士も在籍しており、おふたりに展示施設を案内してもらいました。 

オランウータンは柔軟な知性の持ち主

オランウータンの認知実験

ここには11頭のスマトラオランウータンとハイブリッドが飼育されています。フランジオスは3頭もいました!

霊長類研究所のアイプロジェクトで使われたものと同じシステムを導入しており、正解時にオランウータンへフルーツを与えるための給餌器は大阪で作られたものでした。 

この日はメスのオランウータンが神経衰弱や〇×ゲームに参加していました。 

オランウータンの認知実験

園長じきじきのデモンストレーション

ほぼ毎日、午後にシューメーカー園長はオランウータンの認知実験デモンストレーションを行っています。
この日のテーマはオランウータンは記号と概念を結びつけて理解できるのか。

園長はジョークを交えながら実験について説明を行い、聴衆をどんどんひきこみます 。
時おりオランウータンがテストに失敗した際も、これも研究上で重要な情報であると言います。 

淡々と実験するというよりも、聴衆を巻き込んで進めることで類人猿の認知能力を見せることで、来場者は「カワイイ」や「ヘンな見た目」といったものとは異なる次元で、オランウータンに関する新しいイメージを持って帰ってもらえるのだろうと感じました。 

園長じきじきのデモンストレーション

スカイウォーク

インディアナポリス動物園には象徴的なスカイウォークがあり、ちょうどフランジオスが渡っていました。
「これと似た施設が東京の多摩動物公園にもあるね」とシューメーカー博士は言います。
その建設の中心を担ったのはおらけん代表理事の黒鳥英俊です。 

シューメーカー園長は黒鳥たちがデザインしたスカイウォークのデザインは先進的であると言います。

インディアナポリス動物園のスカイウォークは、支柱にオランウータンが降りてこないよう電柵が張られています。

しかし、多摩動物公園のスカイウォークは支柱を太くすることでしがみつけない構造をとり、電柵を使わずしてオランウータンが自ら降りることのない素晴らしいデザインだとシューメーカー園長は絶賛していました。 

スカイウォーク

トークをしました

昼休みにはオランウータンの飼育員と動物園スタッフを集めて、田島が野生オランウータンに関するセミナーをする機会をいただきました。

質問もたくさん出て、シューメーカー博士と動物園でのオランウータンを対象とした研究テーマについても相談することができ、とても充実した訪問となりました。 

トークをしました

次回は最後の訪問先として、先端的な保全活動でも有名なサンディエゴ動物園へ行きます。

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